無印良品

無印良品ってなに?どんな会社?

無印良品の誕生秘話

「わけあって、安い。」をキャッチコピーに現西友のPB(プライベートブランド)として誕生したのが無印良品です。無印の由来は「ノーブランド」の意味。その後1980年に西友から離れ、株式会社良品計画として現在の無印良品が誕生しました。

1980年と言えばバブルの時代ですよね。

その頃は商品ひとつだけを販売するのではなく、抱き合わせ販売が主流でなんでも豪華に販売していることが普通だった時代。例えば、「ブランド名があるだけで値段が上がる」「チョコレートを買うのにおもちゃがついてくる」「不要な豪華な包装材を使っている」「まだ食べられるのに形が悪いから捨てられているもの」こういった不要なものに対してアンチテーゼを唱えたのが「無印良品」のスタートです。

その頃は様々な企業から「そんなもの売れないよ」とよく言われていました。

ですが、一度販売し始めると飛ぶように商品が売れていき、供給が間に合わないといった状況が続きます。結局の所、お客さんは商品の付属品や豪華な包装、商品の形などは二の次で必要な質さえ担保されていれば良いというニーズだったんですね。

そんな時代を先取りして誕生したのが「無印良品」(今ではどの小売も同じことをしていますね)

その後2000年までは好調に業績を伸ばし続け、海外展開も行い飛ぶ鳥を落とす勢いで成長してく「無印良品」。ですがそんな好調な業績は長くは続きませんでした。

バブルが弾けた日本に生まれだしたのが「ディスカウントストア」の台頭です。

そしていつもと同じものを作れば売れていたから、いつも同じものを大量生産、作ったものを店舗に供給するだけ。考えることをやめてしまった良品計画は一気に業績が悪化し38億もの赤字計上。赤字企業に成り下がります。

無印良品のV時回復

この頃に社長に就任したのは「松井忠三」さん。

松井さんの著書にも書かれていますが、社長就任した当初は悲惨だったそうです。売れない在庫が積み重なって倉庫代もバカにならず、最終的に取った判断はこの大企業病を治すために「商品部を連れて商品部が作った商品が捨てられる様を直接見せる」という荒技をし、商品部の皆さんは泣いていたそうです。

他にも採算の合わない店舗の閉店など次から次へと着手し、改善をしていきます。

その時彼はこんなことを言っています。

「悪いことが起こった後もまた悪いことが起こる」

勝手な解釈ですが、問題が積載してしまっており解決の糸口が見当たらないほど会社の状態は悪かったんでしょう。

そんな中生まれるのが「MUJIGRAM」という業務基準書です。

今までは業務の経験の蓄積が人に集中しまっており、人に仕事がついている状態。これでは人が辞めたりするとせっかく培った経験がまた白紙になってしまい、業務が継承されないことに危惧。今までの経験や技術を明文化し、その業務基準書を見れば誰でも同じ仕事ができるMUJIGRAMを開発。これにより業務が人につく状態から人に業務つく状態へ変化させていきます。

これだけでは終わりません、顧客の意見を取り入れ商品開発などに取り組むなど顧客のニーズを取り入れ、商品化することを始めます。

有名な商品で言えば「人をダメにするソファ(体にフィットするソファ)」が代表的な商品だと思います。

いっとき有名になりましたよね。無印良品の代名詞とも言える商品です。

仕組み、商品、環境などを変化させることで少しずつではなく一気にV字回復を果たします。なんとたった6年で38億の赤字企業が72億の黒字企業に大きく転換。そこからも再び好財務企業に変貌しました。

その後、松井忠三さんは会長になり社長は金井政明さんに引き継がれ徐々に売上高、利益ともに伸ばし、国内店舗数、海外店舗数も順調に増えていきました。

再び正念場の無印良品、そして第二創業へ

世の中そんなに甘くありません。

再び無印良品は正念場を迎えています。業績が伸び悩み始めます。その頃は会長に金井政明さん、社長に松﨑曉さんです。無印良品が得意分野「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」を行い今までと同じ質、もしくはより良い質にした上で価格を下げる戦略をとっていきます。しかしながら、無印良品と似た商品が様々なメーカーから販売されるようになり、価格競争に巻き込まれていきます。

売上高は上がるものの利益が落ち込み、再び厳しい状況が続きます。

そこにコロナが直撃し、再び赤字計上。翌年には黒字転換しますが、利益は伸び悩みます。

松﨑曉さんは2021年に副会長となり、新しい社長に元ファーストリテイリングの堂前宣夫さんが就任。

堂前宣夫さんは就任と共に「第二創業」を掲げました。

第二創業とは店舗が地域課題を地域人々と問題解決を共に行い、街作り(地域の発展)のためのプラットフォームとなり地域貢献に繋げていく。そして結果、2030年には3兆円という大きな売上を目標として掲げました。

様々な情報誌でも出ていますが、国内年100店舗作り、しかも大きなお店ばかり。最近の新しい無印良品には地域の店舗が出店していたり、野菜やその地域にある地元の商品が販売されています。10年前はどのお店に行っても同じ商品、同じ売り場だったのが確かに変化しています。

今後の無印良品は今までと違うぞ!というお店ができるのが楽しみですね。

これからも無印良品をパトロールしていきます!